ミスターイミグレーションが世界に乗り出す

坂中提案

白人至上主義者とされているトランプ米大統領の登場で、「アメリカは人種のるつぼ」という移民国家の神話が崩れ、日本の人類共同体思想に世界の注目が集まっている。

私は人口崩壊の危機が迫る日本を救いたい一心で、1000万人の移民を、50年計画で秩序正しく入れる日本型移民国家の設計図を描いた。これほど野心的な国家ビジョンは世界にもあまり例がないのかもしれない。

ところで、2016年に入り、世界の移民大国が一斉に移民の入国規制に舵を切った。世界文明をリードしてきたイギリス、フランス、アメリカ、ドイツで異なる民族と宗教に対する寛容の精神が影を潜めた。移民問題を主たる理由とする英国の欧州連合(EU)からの離脱や、トランプ米大統領の移民に対する常軌を逸した強硬姿勢が物語るとおりである。

移民憎悪者や排他主義者たちが世界にはびこるのを許してはならないと固く信ずる日本のミスターイミグレーションが世界に乗り出す。グローバリズムの終焉という西欧文明の末期症状を見ることになるとは夢にも思わなかったが、日本文明の所産である日本型移民政策の旗を高くかかげ、西欧諸国に移民政策の軌道修正を迫る。

しかし、移民鎖国を続ける日本には、トランプ米大統領の暴走に苦言を呈する資格はない。それどころか、同大統領が日本政府に移民開国を迫る可能性がある。政府にお願いがある。トランプ氏の先手を打って、「経済大国で移民受け入れ能力が十分ある日本が、50年間で1000万人の移民を計画的に入れる用意がある」と、世界に宣言していただきたい。

移民恐怖症が世界中に蔓延する恐れすらある今日、日本の移民政策は日本の人口危機を救うだけでなく、世界の人道危機を救うものに飛躍発展する。それを実行に移せば、日本が世界的な移民・難民危機を救ったとして、国際連合を始め世界の人々から感謝されるだろう。

私は、世界的使命が日本人に託されるのは天の配剤と受け止め、人類共同体の理念を世界の人々に訴え続ける。

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