タブーへの挑戦は栄光への道

坂中提案

入管時代、人のやらないことばかりやってきた。在日韓国・朝鮮人問題にはじまり、北朝鮮帰国者問題、興行入国者問題など、誰も手をつけない難題と取り組んできた。それが幸いした。競争相手が不在で私の独壇場であったから、自由自在の活躍ができた。

退職後は移民国家の創建に挑戦している。これは1000年以上つづくタブーとの闘いである。

問題を発見し、政策論文を書き、立法など政策の実現に努めた。しかし、国民の圧倒的多数は在日朝鮮人の問題や移民政策に無関心だった。それどころか、一部の人びとから猛烈な反発や攻撃を受けた。昔は冷酷な官僚と罵倒された。今は売国奴とののしられている。

どれもが難問中の難問であったから、問題の解決までに気の遠くなるような年月がかかった。北朝鮮にいる日本人妻と残留日本人の帰国問題は、半世紀以上の時を経てようやく解決の方向が見えてきた。移民国家の建設については、人口危機という有史以来の民族的危機が深まった結果、移民鎖国の禁忌が破られ、歴史的な国民的議論が始まった。

決してあきらめることなく信念を貫き通せば、人知の及ばぬ力が加わって不可能を可能にすることもできるのだ。タブーへの挑戦は栄光への道であった。

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