タブーへの挑戦は成功への道につながる

坂中提案

法務省時代、決してそれを意図したわけではないが、結果的に人のやらないことばかりやってきた。在日韓国・朝鮮人問題にはじまり、北朝鮮帰国者問題、興行入国者問題など、誰も手をつけない難題に挑戦した。それが幸いした。競争相手が不在で私の独り舞台であったので、自由自在の活躍ができた。

退職後は移民政策研究所を設立、移民国家の創建に挑んでいる。これは移民鎖国という日本最強のタブーとの闘いである。そして現在、米国、フランスなど移民先進国が人種差別と排外主義に向かう中、日本人にしか発想できない移民国家の理念を打ち立て、人類共同体社会の創造という世界史的課題に取り組んでいる。

これまで問題を発見し、政策論文を書き、立法など政策の実現に努めてきた。しかし、国民の圧倒的多数は在日朝鮮人問題や移民問題には無関心だった。それどころか、一部の人から猛烈な反発や攻撃を受けた。昔は冷酷な官僚と罵倒された。今は売国奴とののしられている。

どれもが難問中の難問であったから、問題の解決までに気の遠くなるような年月がかかった。北朝鮮にいる日本人妻の帰国問題は、半世紀以上の時を経て解決の方向がかすかに見えてきた。移民国家の建設については、人口危機という有史以来の国家的危機が深まった結果、政治課題に急浮上し、超党派で政治の合意を得られる日が視界に入ってきた。

どんな問題でも解決を目ざして信念を貫けば誰もが不可能と考えていたことを可能にすることもできるのではないか。タブーへの挑戦は成功への道につながるのでないか。以上のことは波乱の人生を振り返って思ったことである。

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