アベノミクスは日本経済を成長軌道に乗せられるか?

坂中提案

生産人口と消費人口の激減が続くなかでアベノミクスは日本経済を成長軌道に乗せられるのだろうか。それは安倍政権が移民政策の導入を決断できるかどうかで決まる。

日本人が移民鎖国のイデオロギーをかたくなに守るかぎり、働き手の減少と消費の低迷が続くので成長戦略は立てられない。それどころか、移民政策の矢を欠くアベノミクスは失速する可能性が高い。

だが、日本人が移民鎖国の長い眠りから覚め、日本政府が50年かけて1000万人の移民を計画的に入れることを決定すれば、移民経済が勃興し、巨大な移民市場が成立する。移民政策がもたらす経済効果は極めて大きいと考えている。一例を挙げれば、一人の移民の消費額は一人の外国人観光客の落とす額の10倍以上にのぼるという試算もある。

安倍晋三内閣が移民立国を宣言すれば、まず移民に住宅を供給する不動産業や料理を提供する外食産業などへの直接投資が増える。移民が入国し居住するようになると、移民は生活者・消費者であるから、衣食住関連はもとより、自動車、電気製品、情報機器など高額の生活関連商品を購入する。日本語の勉強などの教育費も高額にのぼる。それらが新たな需要と供給を生む相乗効果によって移民市場が拡大してゆく。

また、国内需要の拡大と国際人材の安定的確保の見通しが立ち、日本企業の国内回帰の動きが見られる。若年の移民人口が消費人口・生産人口に加われば、自動車産業など製造業の海外移転の動きにブレーキがかかる。海外の機関投資家は、移民政策で人材供給と内需の伸びが計算に入る日本経済の実力を見直し、日本への積極的投資に向かう。

話は財政問題に移る。2014年末現在の国と地方を合わせた長期債務残高は1000兆円を超えた。万一、人口問題の解決に有効な移民政策を欠き、人口増加期に作られた諸制度を放置すれば、国が抱える借金は雪だるま式に増える。その場合、10年を待たずして国家財政が破綻し、日本終焉へのカウントダウンが始まる。

国民が自らの身を削り、全員で痛みを分かち合う国民精神が形成されることを前提に、社会保障と税の一体改革を確実に実施するとともに、総計1000万人の移民に税金と社会保障費の一部を負担してもらうこと、それ以外に最小限の社会保障制度を守り、財政破綻をまぬがれる道はないと考える。

人口激減社会を生き抜くための抜本的制度改革を行い、長期間の緊縮予算を組むことを条件に、入国時に10代・20代が大半の移民が納税者および社会保障制度の担い手に加われば、何とか財政再建のめどが立つだろう。

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