なぜ移民は日本文化のとりこになるのか

坂中提案

入管の行政官として、退官後は移民政策研究所の所長として、様々な国籍の外国人と接した経験から、日本という小宇宙には外国人を日本にひきつけ、外国人を日本化させる不思議な力があると感じている。一体どのようにして日本は外国人をひきつける魔力を身につけたのだろうか。なぜ在日外国人は日本文化のとりこになるのだろうか。

日本は古来、「人の和」や「寛容の心」を重んじる精神風土をはぐくんできた。多神教の日本人の心の奥底には多様な価値観や存在を受け入れる「寛容」の遺伝子が脈々と受け継がれてきた。長い歴史を経て外国人が日本に溶け込む同化力の強い社会が形成されたのではないか。

知り合いの在日外国人は、信義を守る日本人、もてなしの心がある日本人、穏やかな人柄の日本人に敬愛の念を持っている。四季があって変化に富む自然、美しい田園風景、まとまりのある社会、安寧秩序が保たれた社会を気に入っている。アニメもファッションも料理も大好きだという。

移民の二世以降の世代が日本の小中学校で学び、出身国や民族による差別のない社会で成長していけば、生まれ育った日本に愛着を覚え、日本人と心が解け合うだろうと見ている。また、世界のどの民族も成功していない「多民族共同体」の樹立も視野に入ってくるだろうと考えている。

最近、私の立てた移民国家構想について多様な国籍の在日外国人と意見交換をしている。彼らは口をそろえていう。「寛容の心がある日本人は移民を上手に受け入れる」「日本人と移民が協力して多民族共同体を創成できる」。

そして、私のいう人類共同体ビジョン、すなわち、人類の同一性を強調し、人類が一つになる「地球共同体思想」に対する熱烈な支持を語る。在日外国人の世界で移民国家ジャパンへの待望論が高まっていると感じる。

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