なぜ移民が総選挙の争点にならないのか

坂中提案

この12月の総選挙においてアベノミクスの是非と地方創生は主要な争点になっている。しかし、それらの問題の根本原因である人口秩序崩壊の問題と、その最有力の解決策である移民政策は選挙の争点にのぼっていない。今こそ移民国家議論を活発化させる時であるのに各政党が公約に掲げることもない。日本の政治の劣化は慨嘆に耐えないものがある。

超少子化と人口激減の問題は日本政治が取り組むべき最優先の課題である。しかし、なぜか政治家は人口問題を正視することも移民政策を議論することも避けているように見える。絶望の未来が待っている若者を元気づける国家ビジョンを政党が示したという話も聞かない。

「国会で移民問題は議論しない」という政党間の暗黙の合意が成立しているのではないかと疑いたくなる。合意はともかく、移民を政治の俎上に載せないとの一点において政界は超党派でまとまっているように私の目には映る。

政治が国家の一大事に拱手傍観の態度をとり続ければ、「平成の政治家は日本の未来に対する責任を放棄した」と、50年後の国民から糾弾されると言明しておく。
 
なぜ移民立国に政治生命をかける政治家が輩出しないのか。人類共同体社会の日本をつくる夢を語る政治指導者が現れないのか。

頑固なデフレ経済、巨額の財政赤字、成長戦略が立てられない経済の弱体化などの諸問題はすべて「人口」に起因する。少子化の進行と人口の高齢化の問題にあらゆる手段を講じて対処しないと、深刻化する一方の経済財政問題は解決の糸口さえ見いだせないであろう。

人口は「出生者」と「死亡者」と「移民」の三つの要因で決まる。成熟した文明国の日本においては超少子化時代がしばらく続くと考えるのが自然である。つまり人口秩序を正す方法は大規模の移民の受け入れしかないということだ。
 
平成の政治リーダーには、百年の計の移民国家ビジョンを立案する政治信条とそれを実現する器量が求められる。国家存亡の危機を救う英明な宰相の出現をこいねがうばかりだ。

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