『朝日』と『読売』が移民問題で動き出した

メディア 坂中提案

4月18日の朝日新聞が、「戦後、移民――日独世論調査」の結果を発表した。それによると、「永住を希望して日本にやってくる外国人を、今後、移民として受け入れることに賛成ですか。反対ですか」の質問に対して、移民に賛成が51%、移民に反対が34%で、賛成が反対を上回った。『朝日』にはこの世論調査の結果を踏まえて移民政策推進の立場から論陣を張ってもらいたい。

8月28日の朝日新聞の社説は、経団連が近く「日本型移民制度」の検討を始めることを歓迎すると述べたうえで、「移民問題を国民全体で議論していきたい。欠かせないのは『生活者』の視点を徹底することだろう」と注文をつけた。

『朝日』が次のように指摘している点は同感である。「日本型移民制度が、技能実習制度や、研究開発などに携わる『高度外国人材』受け入れ制度の隙間を埋め、人件費の抑制をはじめ経営の利便を高めるだけの内容にとどまるなら、国民からの批判は免れまい」。

朝日新聞は「まずは検討を始める。その一歩を踏み出すことが重要だ」という言葉で論説を結んだが、前例を見ない人口危機が切迫する日本にそんな余裕はない。榊原定征経団連会長が7月23日の経団連主催の夏季フォーラムで述べたように、人手不足が深刻化する日本は「移民に頼らざるを得ない」危機状況にある。もはや議論している場合ではなく、政治に歴史的決断を迫る時だ。

8月26日の読売新聞が、「人口減社会に関する全国世論調査」の結果を発表した。それによると、「人口減少社会への対策として、日本に定住を希望する外国人を、移民として受け入れることに、賛成ですか、反対ですか」の質問に対して、移民として受け入れることに賛成が38%、反対が61%、20歳代では賛成が50%、反対が49%に上った。

読売新聞が移民問題をほとんど報道しなかったにもかかわらず、特に日本の将来を担う20代の半数が移民の受け入れに賛成であるという事実は驚嘆に値する。世界の若者の中で日本の若者は最も広い心があることを知って感きわまった。すばらしい日本人が運営する移民国家日本の未来は心配ないと思った。『読売』にはこの世論調査の結果を踏まえて移民賛成の立場から社説を書いてもらいたい。

また、日本の人口減少は「深刻だ」と考える人が89%に達したことは、国民の大半が人口崩壊の脅威を敏感に感じていることを如実に示すものだ。政府が掲げる「2060年に人口1億人確保」を達成すべきだと思う人が76%に上ったことをどう評価すべきか。出生者人口の増加は、当分の間、期待できないから、革命的な移民政策をとらない限り1億の人口維持は不可能だが、高齢化する国民に大量の移民を受け入れる覚悟はあるのだろうか。

« »