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「移民政策」という言葉が市民権を得た

最近、「移民政策」という言葉が各方面で一般的に使われるようになった。「移民政策はとらない」という政府の基本的立場に変わりはないが、国会では「移民政策であるか否か」「移民政策をとるべきか否か」などについて議論されるようになった。恐る恐るではあるが、一部のメディアも移民政策という言葉を使い始めた。

移民政策研究所の所長として、日本の移民政策のパイオニアとして、「移民政策」という言葉が市民権を得たことは喜ばしいかぎりである。

しかしながら、移民政策のプロの眼には、「移民政策」という言葉がひとり歩きし、政治家やメディア関係者が各人各様に使っているように見える。この言葉の持つ意義を正確に理解したうえで使用しているとは言い難い。

じつは、外国人の受け入れの歴史が長い欧米諸国において、今日、正しい外国人受け入れ方法とされているのは「移民政策」である。21世紀に入り、「奴隷」はもとより「外国人労働者」という言葉も死語になった。

ひるがえって日本の政治家やジャーナリストの間で、移民の受け入れと、いわゆる単純労働者の受け入れとの違いや、国連などから奴隷制度と批判されている技能実習制度と移民政策とが根本的に相容れないものであることが十分理解されていないように思う。

時代は「移民鎖国」から「移民開国」へと動いた。首相が国会で「外国人との共生社会の実現」を語る時代に入った。

2018年12月20日、天皇陛下お誕生日に際しての記者会見において平成天皇は、外国人の受け入れのあり方に関し、「各国から我が国に来て仕事をする人々を、社会の一員として私ども皆が温かく迎えることができるよう願っています」と、移民社会の未来を照らす指針を示された。天皇陛下のお言葉は移民政策の核心を突くものである。国民には社会の一員として移民を温かく迎える覚悟が求められる。