「移民国家日本は世界の頂点をめざす」

国家公務員生活を終えた2005年4月。私は白豪主義に象徴される白人至上主義の考えが根強く残る欧米の移民政策の轍を踏んではならぬと心に決めた。その上で西洋とは異なる日本独自の移民政策理論の構築を目ざした。以後、日本人の感性に訴える論文をひたすら書いた。時代が動いて2020年2月。人類共同体社会の創造という日本人の夢が詰まった移民国家ビジョンを世界の識者に紹介する地点に到達した。
「Japan as an Immigration Nation:Demographic Change, Economic Necessity, and the Human Community Concept」(LEXINGTON BOOKS 2020)の発刊である。
この本の眼目のセオリーは副題の「the Human Community Concept」(人類共同体の概念)である。反移民の声の異常な高まりが見られる欧米社会が、人類共同体社会の創生という人類の究極の夢を描いた坂中ビジョンにどのような反応を示すのか興味がある。
新型コロナウイルスが猛威を振るって明日の展望が開けない時代。私はコロナ後の日本と世界のあるべき姿と真剣に向き合っている。人類社会が「コロナウイルス問題の克服」から一直線に「人類共同体精神の醸成」に舵を切ってほしいと希望する。
新作「移民国家日本は世界の頂点をめざす」は、人類共同体社会を創るという壮図を抱いて筆をとった大作である。