「少数言語文化研究所」を設立してほしい

坂中提案

移民時代を迎えると、移民二世に対する母語教育に力を入れなければならない。移民一世が持っている文化や感性を移民二世に受け継いでもらうため、移民の第二世代に親の母国の言語を教える体制を整える必要がある。すなわち少数言語教育体制の確立である。

たとえば、移民二世が母国語や母国の文化を学ぶ「少数言語文化研究所」を東京外国語大学と大阪大学に設置してはどうか。この研究所は世界の少数言語および言語政策に関する研究を行うとともに、移民二世に対して少数言語を教える。研究員は、世界的な視野に立って、世界の少数言語研究の第一線で活躍する若手研究者の中から選考する。

われわれ日本人は、親の母語を継承することによって初めて移民二世が民族的アイデンティティを保持し、世界に通用する人材に育つことを理解しなければならない。

また、旧態依然の日本語教育法を抜本的に改革しなければならない。たとえば、移民の母国の言語に配慮した日本語教育法の研究や、日本語の会話能力と漢字の読解力を短期間で外国人に身につけてもらうための日本語教育法の研究開発、移民の送り出し国においてその国の言語で日本語の基礎を教える日本語教育制度の導入など、大量移民時代を視野に入れた日本語教育のあり方についての検討を急ぐ必要がある。

移民の受け入れが順調に運ぶと、日本人と移民の間の交流が盛んになり、数カ国語を話す国民が増えるだろう。特に若い世代の間では、人種や文化の相違に魅力を感じる人が多数に及び、少数言語を学ぶ人や異なる民族と結婚する人が続出するだろう。

以下は、私が理想と考える2050年の移民国家日本の姿である。移民二世に対する日本語教育と母語教育を実施する体制が整備されており、日本人と移民のカップルをはじめ出身国を異にする人どうしの結婚が当たり前の時代になっている。移民二世や異民族間結婚で生まれた子供など約1000万人にのぼる国民が、日本語、親の出身国の言語、英語の3カ国語以上を話す「多言語社会」が成立している。多言語を駆使する日本人が世界各地で活躍している。

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