「人口崩壊の脅威が反移民の国民感情に打ち勝つ」(5月17日のジャパンタイムズの記事)

メディア 坂中提案

5月17日のジャパンタイムズの一面に「『人口崩壊の脅威が反移民の国民感情に打ち勝つ』と元入管幹部が語る」(Population fixes have anti-foreign bias,Official says)という表題の記事が載った。私が5月16日に日本特派員協会で行った講演の一部を紹介したものである。

この記事を書いたのはジャパンタイムズ報道部の尾崎智洋記者。尾崎記者は私の見解を正確に報道してくれた。日本の移民政策に関心を持つ世界の知識人に影響が及ぶだろう。同記事の中で私の発言が引用されている。

〈移民政策研究所の所長を勤める坂中英徳は次のように述べた。「私の主張は、長年にわたり、日本の知識人と日本メディアの世界に存在する反移民文化のため、無視され続けてきた。」「政府は、人口崩壊の危機が切迫していることを認めず、大規模に移民を受け入れる移民政策ではなく、非現実的な解決策を採用している。」〉

〈激減する生産労働人口を補充するため高齢者と女性の一層の活用を図る政策は、何としても移民の入国の扉を開きたくないと願う政府の絶望的な闘いである。5月13日に安倍晋三首相に提出された経済財政諮問会議の中間報告書は、「政府は地域社会の消失と生産労働人口の減少の危機を免れるため、日本の出生率を高めることにもっと力を入れるべきだ」と提言した。〉

〈同報告書は、50年後の日本人口が1億の大台を維持するため、日本の出生率を現在の1.41から2.07に引き上げる必要があると述べている。これも、将来の人口危機を回避し、大量移民の受け入れに追い込まれないようにするための試みだ。〉

〈坂中は外国特派員協会における講演で、「同報告書が目標に掲げる2.07の出生率は『実現不可能』ということで人口問題の解決策から退けられる。数年後には、日本は『移民国家』になると信じる」と語った。〉

〈なぜ日本の出生率を向上させるのが難しいのかについて、「出生率の低下の問題はひとり日本だけの問題ではない。ほかの先進国、文明国も直面する共通の問題である。2.07の出生率は、数十年以内はもとより、100年後も達成できるとは信じられない。あまりにも不確定要素が多すぎる」と、坂中は述べた。〉

〈また坂中は、2020年の東京オリンピックの開催のため必要な生産労働人口の不足を外国人技能実習制度の拡充で補う安倍内閣の方針を批判する。悪徳雇用主が実習生を食い物にすると語る。

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