「『移民国家』ニッポン?『人材育成型』の政策を採れ」の記事(2007年2月9日の朝日新聞)

坂中提案

最近、朝日新聞が移民政策にくみする動きを見せているのをみて、2007年2月9日の朝日新聞の『三者三論』に「『移民国家』ニッポン?『人材育成型』の政策を採れ」の表題で私の談話記事が載った7年前のことがよみがえった。

その談話記事を読み返してみて、その後、私が展開する日本型移民政策論の原型がすでに形成されていることを知った。また、当時の『朝日』が「移民国家」の見出しを掲げ、「人材育成型移民政策による1千万人の移民の受け入れ」を記事にした先見の明に驚きを禁じ得なかった。以下は、2007年の朝日新聞で私が語った移民国家構想のエッセンスである。

〈戦後の長い間、日本政府は外国人をほとんど受け入れてこなかった。当時の入管現場のキ―ワ―ドは「定着防止」だった。外国人の定住や永住を嫌っていた。背景には「人口増加の続く過密社会」という社会事情があった。〉

〈だが今、日本は人口減の時代に入った。今後、一定数の外国人は政策的に受け入れていかざるをえまい。過疎化で地域社会崩壊の危機にある村が多く、高齢化で介護従事者も不足するうえ、人口減で経済活力が落ちれば社会保障秩序も崩れかねないからだ。〉

〈外国人労働者をもっと受け入れよとの議論があるが、私はそれには与しない。「労働者」受け入れという立論は、外国人を短期間こき使う印象が強いからだ。そうではなく、日本は「移民」の受け入れをこそ検討すべきだ。〉

〈その都度のこちらの都合で受け入れたり追い返したりする方法ではなく、将来的に日本国民になってもらうことを視野に入れた、定住促進型の外国人政策への転換である。〉

〈今後50年で人口が仮に4千万人減るとしよう。その間に1千万人の移民を受け入れ、人口1億人の社会へ移行することなら、努力して、やれないことはないと思う。〉

〈その場合、受け入れの仕組みが成否を決める。高度技能を持つ外国人労働者は英語圏を目指し、漢字圏の日本には来ないと認めて、日本は「人材育成型」の移民政策を採るべきだ。外国人が日本の学校できちんと日本語を学べるようにし、職業支援も積極的に行って、国内で技能労働者に「育って」もらうのである。〉

〈海外では主要都市に「ジャパン・カルチャ―センタ―」を作ってはどうか。日本に興味を持つ若者に無料で日本語を教える。そこで発掘した人材を国費で受け入れ、学校や就職先を世話して、速やかに国籍も与える構想だ。〉

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